
ソリ・曲がり・ねじれ
成形品にそり、まがり及びねじれが生じる現象
ソリやネジレなどは残留応力により発生します。
残留応力とはその名の通り残留している応力をさします。
射出形成では、高温でドロドロに溶けた材料を金型に注入した後、冷えて固まってから取り出します。
どんな物質でもその相変化(固体~液体~気体)によって容積(密度)が変化します。
(同相でも多少の熱膨張はあります。) その際、膨張収縮しようにも周りが固まっていてどうにもならない状態を、残留応力が存在すると言っています。

残留応力は部分的な冷却差により発生すると考えていいと思います。
製品の肉厚が一定とした場合、
金型への熱の逃げ方が均一であれば材料密度は一定で反りは無い。
しかし、実際には冷却パイプからの位置、肉厚の違い等の違いにより、
単位体積辺りから逃げる熱量は場所で違います。
もちろん固定側と稼動側では構造的にも大きな違いが有ります。
その差により、ある部分は熱が逃げず固化していないのに
別な部分は熱がかなり逃げて固化し始めたりします。
結果固化していない部分は固化した部分に引っ張られそりを生じます。
その冷却差が肉厚方向で起こると考えれば理解しやすいかもしれません。 (大概は固定側と稼動側で発生します。)
冷却速度差→固化の不均一→固化部が未固化部を引っ張る→応力発生→射出後そると言った流れです。
例えばよくありがちなものでは、箱型形状の底面が、太鼓状に膨らんでしまうことがあると思います。
こればコア側の駒の温度が高くなり、キャビ側と比較してコア側は収縮が大きくなることで発生します。

コメント
何故コア側の温度の方が高くなるのでしょうか?
コア側/キャビ側の形状や通水回路により、一概には言えないのですが、
私はコア側の方が樹脂の熱を放熱し難いからではないかと考えています。