
⑧パージの原理
※意外と知らないパージの基本 と同じ内容です。
パージの基本原理
一般に熱可塑性樹脂は温度が高くなると金属面に融着し、温度が低いと融着しない。パージはこの性質を利用し、パージしたい(追い出したい)樹脂を
熱いシリンダ内壁に融着させ、これをスクリューに供給した
粘度の高い材料(パージ用材料)によって削り取るようにして、除去するのが基本的な考え方である。
その為成形する温度どパージする温度が同じではパージに時間がかかるので注意が必要
パージ方法はその前後の材料によって異なり、大まかに4パターンとなる。
- 同一材料での色替え 淡い色→濃い色
- 同一材料での色替え 濃い色→淡い色
- 材料替え 低温→高温
- 材料替え 高温→低温 (一番注意が必要です。)
(温度やパージ材の選定は前後の樹脂により異なるので、一概には言えない。)
効果的なパージを行うには
・パージと背圧の関係
基本的には背圧は0よりもあった方がいいとされています。
背圧をかけることにより作業時間・パージ材使用量共に減少傾向にあります。
これは背圧が高い方が樹脂に作用する圧力、つまり残留樹脂を書き出す力が増す為と考えられます。
・パージとサックバックについて
パージ作業時はサックバックも動かした方がいいとされています。
それはサックバックを動かすことによって逆流防止リングが動いて、
逆流防止リングに付着した材料を洗浄出来る為とされています。
・パージと計量について
効果的なパージをするためにはシリンダー内のどこに樹脂が溜り易いが考える必要があります。
例えば、お砂糖を床にこぼして拭いたときに平らな面と凸凹している面、どちらに砂糖が残りやすいですか?当然凸凹の面ですね。
その考えと一緒でより凸凹している方が樹脂が残りやすいわけです。
シリンダー内でより凸凹しているのは、シリンダーの計量部、特にノズル付近です。
その為効率的にパージを行うなら常にフルストロークで計量させるのはナンセンスです。
フルストロークで数回、2/3くらいの計量で10回、1/3くらいの計量で20回などと計量値を変動させながらパージすることで、余分なパージ材の使用を防ぐことが出来ます。
・パージと射出速度について
パージ時の射出速度設定については、一定の速度が必要です。
なぜならば低速の場合追い出したい樹脂に圧力がうまくかからず、パージに時間がかかってしまうからです。
速度を上げることで、樹脂に圧力をかけて追い出していきます。
まとめ
・パージとは材料の排出作業
・パージはただ流せばいいわけではない
・背圧あり、サックバックあり、速度は早め、計量値は変えながら行う方が効率的
・樹脂温度も成形時の温度とは変えた方が効率的
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