
⑲PS キャビ取られと保圧/冷却
⑱のヒケと保圧で説明したことと関連するのが、このキャビ取られと保圧/冷却である。
受験会場次第となるが、機械・金型の保護の為に保持圧の上限設定がされている。
基本的にはその上限値程度まで保圧を上げていってヒケを直す訳だが、
保圧が高すぎるとキャビ側に製品が取られてしまう。
これは通常の金型と試験用金型の構造の違いも起因している。
試験型は取付板部が製品の天面になっている。
通常はそのような作りにはなっていないが試験型はそうなっている。
そのような作りでは保圧を上げていくとキャビ型板と取付板の間にバリがさしやすくなる。
当然その間にバリがさしてしまえば、キャビに取られてしまう。
そのようなことを避ける意味でも保圧上限設定が設けられているのだろう。
またヒケ/キャビ取られと関連するが、極まれにEP脇にクラックが入る場合もある。
つまりはヒケ・キャビ取られ・クラックの3つに注意して保圧設定をする必要性がある。
それぞれのバランスをみながら適切な設定をすることが、求められるということです。
もしキャビ側に製品が残ってしまった場合は、キャビ側の金型と製品の間をめがけて、エアーを吹くと、製品の収縮が促され、エアーの力で製品が浮いてくる場合がほとんどなので、キャビに製品が残ってしまったからと慌てずに処理して、条件の調整を行うようにしたい。
ここで感のいい方は気が付いたと思うが、エアーを吹いて冷却させるとキャビに残った製品が浮いてくる=冷却時間を長くすれば、コアに抱き付いてくるというわけだ。
しかし、キャビ型板と取付板の間のバリが極端にひどいとそれも困難になるので、
注意してほしい。
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