
⑯PE→PSパージ
まず一番最初に注意したい、むしろ一番注意したいのがこのPE→PSのパージである。
PEが完全に置換されない状態で、成形を開始してしまうと
合格は限りなく遠のいてしまう。
⑭の材料配分で書いたが、
材料配分をいかにするかにもよるが基本的にはPS材のパージに使えるのは3キロ程度だろうか。
パージ条件にもよるが、最低でも2.5キロはパージしない限り置換は難しい。
管理人はパージに3キロ使用した。
当初の予定では2.5キロだったが、2.5キロの段階ではまたパージした材料の中心が薄っすらと白くなっていた。この状態はPE材がまだ残っている状態なので、
追加で0.5キロのパージを行った。
パージで注意すべきは
①パージ温度
②初回のパージ設定
③自動パージ時の圧力と速度
④自動パージの計量位置の切り替えと回数
①パージ温度
まずパージする際の温度設定だが、
PS材に比べPE材は粘度が低いので温度を高く設定してしまうと、
樹脂をうまく掻き出すことが難しくなる。
都道府県ごとにルールがあるので、異なるかもしれないが、
160°~170°にてパージしないとスムーズに置換できない。
ちなみに管理人が受験した際は、試験開始時の機械の設定が160°だったので、
170°でのパージを行った。ノズル先端からホッパー側まで均一の温度で問題ない。
②初回のパージ設定
初回のパージは手動パージで行う。
シリンダー内が空の状態では、シリンダーへの負荷削減の為、低速低回転で手動パージを行う。
回転数は使用する機械次第だが、40㎜/s程度が目安だろうか。
手動で1回パージしたら自動パージへ切り替える。
③自動パージ時の圧力と速度
自動パージする際の圧力と速度設定については色々な考えがあると思うが、
管理人が推奨するのは高圧高速射出だ。
樹脂を掻き出す必要があるが、これが通常のようなパージ方法では、中々抜けない。
高速高圧でシリンダー内の樹脂を無理くり掻き出す必要がある。
パージすると射出された樹脂がはじけ飛ぶようにくらいまで圧がかかるようにパージする。これくらいまでガンガン流さないと中々抜けてはいかない。
④自動パージの計量位置の切り替えと回数
自動パージでは計量位置とその回数が重要だ。
これは樹脂がシリンダー内のどの辺に残り易いかを考えて、パージして欲しいということだ。
例えばMAXの計量値が100㎜で1㎜射出で1gとすると、
常にMAXの計量値でパージしてしまうと30回でパージ分の材料を消耗してします。
しかし樹脂がこびり付き易いのはノズル側、特に逆流防止弁付近である。
なので、例えば
計量位置100㎜×5回=500g
計量位置 50㎜×10回=500g
計量位置 30㎜×50回=1500g
これで計2.5キロとなる。
このように計量位置を変えながらパージすることでより一層効果的なパージを行うことが出来るわけだ。
ちなみにPS→PCのパージはさほど大変ではないので。
パージの手順は同じだが、1㎏程度のパージで置換できるはずです。
PC→PEの置換はについては2~2.5㎏程パージする必要があるが、
PE材の使用量に制限はないはずなので、あまり心配する必要はない。
もし心配するとしたら、PEへの置換がされていない状態で、
最後の置換を証明するための成形を行い、検定員からNGを食らうことだ。
そうなると再度パージをして、また成形しなければならなくなる。
終了間際での2度手間は避けたいので、PE材は十分流して完全に置換させたい。
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